法人編

Q 役員の退職金は税務上どれくらいまで認められますか?
A その会社の内容や規模、あるいはその役員の貢献度等を総合的に勘案して判断されますが、一般的には次の算式で計算した金額が一つの目安になります。
役員退職金 = 最終月額報酬 × 役員在籍年数 × 功績倍率 功績倍率も特に決まったものはありませんが、通常は代表権のある社長で3倍位が上限のようです。税務当局ともめないためのも、役員退職金規程を予め整備しその規程にそった形で支給することをお薦めいたします。


Q 役員退職金を分割で支払うことは可能ですか?
A 役員退職金の損金算入時期は、原則として支給すべき退職金が株主総会で決議された事業年度となっていますが、退職金を支給した事業年度で損金経理した場合には、その支給した事業年度での損金算入も認めています。従って、株主総会で支給総額と支給方法を決定し、何年間にわたって分割で支給することは税務上も特に問題はありません。


Q 出向役員が出向元へ戻った場合の退職金の負担は一般的にはどうしていますか?
A 親会社の従業員が、子会社に役員として出向して再度親会社に従業員として戻った場合の、子会社での役員時代の退職金は、子会社が本人に支給するケースと、親会社が負担するケースとどちらもあり得ます。子会社が負担すべき出向期間中の退職金も含めて親会社が一括支給した場合には、原則としてその分を子会社が親会者に支払って精算することになります。


Q 会議費と交際費の区分けで注意するところは?
A 会議費とは会議に際して出す茶菓・弁当代であり、料金的にはおおむね、1人当たり3000円程度といわれています。あくまでも「会議に際して」が大前提となりますので、仮に金額が1人当たり3000円以下であったとしましても、会議する場所としてふさわしくないもの(例えば居酒屋など)や、会議が終わった後の場所を変えての食事会等の費用は交際費といわれる恐れがありますのでご注意ください。


Q 情報提供者への支払手数料は損金にできますか?
A 次の要件をすべて満たしている場合は、交際費にはならず、
支払手数料として損金になります。

(1) 金銭等の交付があらかじめ締結された契約に基づくものであること。
(2) 提供を受ける内容がその契約で具体的に明らかにされており、
かつ、これに基づいて実際に役務の提供を受けていること。
(3) 交付した金銭等の額が、その提供を受けた役務の内容に照らして相当であること。


Q 海外への社員旅行はすべて経費として認められますか?
A 慰安旅行として海外旅行を実施した場合に、会社が負担する費用が福利厚生費と処理できるには、次の要件を満たしていることが必要です。

(1) 旅行に要する期間が4泊5日(目的地における滞在日数)以内のものであること。
(2) 旅行に参加する人数が全従業員の50%以上であること。
(3) 1人当たりの費用が10万円程度であること。

最近の税務当局の判断としては「4泊5日、10万円」が一つの目安となっているようです。


Q 海外出張に妻を同伴させた場合、その費用はどのような取り扱いになりますか?
A 以下に掲げる場合以外は、原則として出張する本人への給与(賞与)となります。

(1) 出張する本人が常時補佐を必要とする身体障害者であるため補佐人として同伴する場合。
(2) 国際会議への出席等のため配偶者を同伴する必要がある場合。
(3) 外国語に堪能な者または高度な専門知識を有する者を必要とする場合に、
適任者としてその親族が同伴する場合。


Q 20年以上の永年勤続者を海外旅行に招待するのですが、税務上問題ありませんか?
A 海外旅行の費用が、その勤続年数に照らして社会通念上相当なものであれば、税務上も特に問題とはなりません。会社は損金扱いとなり、社員の方も課税されることはないと考えます。 しかし、「社会通念上の相当額」に関しては、残念ながら具体的に明確にはされていません。実務の解説書等では、20年以上の永年勤続であれば、10〜15万円位は特別高額なものとはいえないとされています。


Q 40歳以上の社員について毎年人間ドッグ検査をしたいのですが、会社負担で大丈夫ですか?
A 人間ドッグの検査内容が健康管理上の必要から一般に実施されるもので、その費用が通常必要な金額であれば、会社負担でも問題ありません。福利厚生費として損金処理できます。しかし、対象者が役員のみなど、一部の人だけの場合には、臨時的な費用として賞与とみなされますのでご注意ください。役員賞与は損金不算入となります。


Q 役員だけの慰安旅行は会社の経費になりますか?
A 役員だけの慰安旅行は会社業務には直接関係ないと判断されますので、福利厚生費には該当せず、臨時的な給与(役員賞与)になるものと思われます。従って、法人の処理としては損金不算入となり、同時に、参加役員から所得税の源泉徴収が必要となります。


Q 貸倒損失として処理できる条件を教えてください。
A 法律上の貸倒損失と、事実上の貸倒損失の2通りがあります。

≪法律上の貸倒損失≫
(1) 会社更生法等の規定により切り捨てられる金額。
(2) 債権者集会の協議決定等で、合理的な基準で切り捨てられる金額。
(3) 債権者の債務超過の状態が相当期間継続し、金銭債務の弁済を受けることができない場合において、書面で明らかにした債務免除額。

≪事実上の貸倒損失≫
(1) 債権者の資産状況、支払能力等からその全額が回収不能となったときに、その事業年度で貸倒損失として損金経理した場合。
(2) 債務者との継続的な取引の停止と最後の弁済とのいずれか遅いときから1年以上経過し、備忘価額を差し引いた金額を損金経理した場合。(売掛債権に限る)
(3) 同一地域の債務者について、売掛債権の総額が取立費用より少なく、支払を督促しても弁済がない場合。(売掛債権に限る)


Q 忘年会・新年会の費用はすべて会社の経費になりますか?
A 会社負担の忘年会や新年会の費用は、それが全社または部課別に行われる通常のものであれば会社の損金になりますし、参加社員の給与課税もありません。しかし、特定のグループだけや、役員だけで行われる忘年会や旅行等の費用を会社が負担した場合は、その費用は税務上は給与となり、参加者に対して源泉徴収が必要になりますのでご注意ください。(役員の場合は役員賞与損金不算入の問題にもなります)


Q 当社主宰のゴルフコンペを行う際、参加者からの会費やゴルフ場への支払いは
  どのように処理すればよいでしょうか?
A 日本の場合、ゴルフと接待とは切っても切れない関係にあり、税務上もそれに見合った取り扱いがなされています。つまり、主催者が負担する参加者のプレー代や昼食代、賞品代、宴会費用等、すべて交際費となり、参加者からの会費収入は雑収入の計上となります。会費分を差し引いたネット額の交際費処理はできませんので注意が必要です。
  交際費処理を少なくする方法としては、プレー代は参加者が直接ゴルフ場に支払うかたちをとることです。各自のプレー代を各自精算とし会費と切り離すことによって、プレー代は主催者の交際費計算の範囲には入らなくなります。


Q 非常勤役員に対して年1回だけ報酬を払う場合も「役員報酬」で処理して大丈夫ですか?
 役員報酬は予め定められた期間を単位として規則的に反復継続して支給される定期の給与が原則ですが、その会社から他に定期の給与を受けていない非常勤役員に対して、継続して毎年1回または2回、一定の時期に一定額を支給する規定に基づいて支給されるものは、臨時の賞与ではなく報酬として取り扱うことが可能です。但し、これが利益に一定の割合を掛けて算定されることになっている場合は役員賞与となりますのでご注意ください。